近年、格段に進歩した最先端のレーザー技術を駆使した特筆すべき研究として、原子の気体を高精度なレーザー光によって冷却する方法、いわゆる「レーザー冷却」と言われるものがあり、原子はナノケルビン領域にまで冷却され、そこでは、「量子力学」がその運動を支配しています。また、研究の対象は、一個一個の原子だけでなく、超低温の原子集団からなる量子多体系、特に強相関系にまで及んでいます。物性物理学の諸問題に対して、全く新しい、かつ制御性の高い実験系が提供されて、従来の固体物理学の枠を超えた全く新しい可能性が開けてきたと言えます。まさに、「冷えた」原子の研究がとても「熱い」、という状況です。
量子光学研究室では、イッテルビウム原子気体について、ボース・アインシュタイン凝縮や、フェルミ縮退といった状態についての研究を行っています。研究室ロゴは、原子の速度分布をプロットしたものです。右上にいくにつれて温度が下がり、速度の遅い成分であるボース凝縮体が成長していく様子がわかります。
現在進行中の具体的な研究テーマは、以下の通りです。いずれも現在、活発に研究されている分野における、ユニークで新規性の高いものです。
また、本研究室は、H26年度から、理学研究科の量子光学特別講座の教員(特定准教授1名、特定助教2名)と「光格子中イッテルビウム量子気体の究極的操作・観測が拓く新奇量子凝縮相研究の新展開」について、密接な共同研究を行っています。 |
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