名誉教授 益川 敏英 先生のご逝去

 本学名誉教授の益川敏英先生が、去る2021年7月23日にご逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。

 益川敏英先生は、1970年5月より1976年3月まで本学理学部助手、1980年4月より本学基礎物理学研究所教授、1990年11月には本学理学部教授となられ、1997年4月より本学基礎物理学研究所所長を務められました。2003年3月に定年を迎えられるまで、特に本学理学部と基礎物理学研究所における研究・教育と運営に尽力されました。

 益川先生は本学理学部物理学第二教室在任中の1973年に、2008年ノーベル物理学賞の受賞対象となる小林・益川理論を発表されました。その後、クォークが6種類以上ありうるとの予言通り素粒子が発見され、現在では素粒子の標準模型の根幹をなす部分となっています。また、卓越した物理学者である一方で、気さくな人柄でも広く知られ、基礎研究の立場から多くを我々に教えてくださりました。理学部の新入生ガイダンスでも特別講演をしていただき、新入生に向けエールを送ってくださりました。

 日本の基礎科学の発展に深く尽力くださった益川先生に、心より感謝申し上げます。ここにご冥福をお祈りいたします。

2021年7月30日
京都大学大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻