極限状態におけるハドロン(核子や中間子等)の性質について研究しています.通常 の物質, 例えば,水は温度や密度を変化させると水蒸気や氷といった状態に姿を変えるように, ハド ロンも高温高密度の極限状態ではその様相を変える事が予想されます.我々の世界は ハドロ ンの構成要素であるクォークやグルーオンが閉じ込められた世界ですが,高温高密度 状態に なると,クォークやグルーオンが自由に動き回れるクォークグルーオンプラズマ相( QGP相) へ相転移が起こると考えられています.このような極限状態での物質の性質,特に, QGPの 動的性質や,有限温度におけるカイラル対称性の部分的回復,また高密度ハドロン物 質での 相構造の解明などを研究してきました.
GCOEでの研究は,おもにQGP中での輸送現象の解明を行っています.QGP中での輸送係 数 を正確に求めることは,QGPの動的性質の理論的解明に不可欠なだけでなく,重イオ ン衝突 実験を解析するうえでも必要不可欠です.またQuarkyonic相と呼ばれる高密度閉じ込 め相に ついての研究しています.
敢為邁往