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平成24年1月30日

田中貴浩教授が日本学術振興会賞ならびに日本学士院学術奨励賞を受賞

このたび、田中貴浩・京都大学基礎物理学研究所教授が、第8回日本学術振興会賞ならびに第8回日本学士院学術奨励賞を受賞することとなりました。

日本学術振興会賞は、優れた研究能力を有する45歳未満の若手研究者を顕彰する賞で、日本学術振興会が平成16年度に創設しました。将来の学術研究のリーダーとして、後のノーベル賞候補者となるような若手研究者をいち早く顕彰することにより、その研究意欲を高め、研究の発展を促そうとするものです。世界トップレベルの研究者である江崎玲於奈氏、野依良治氏などにより構成される審査会で厳正な審査が行われ、このたび田中氏を含め24名の受賞者が決定されました。また日本学士院学術奨励賞は同じく若手研究者を顕彰して今後の研究を奨励することを目的として、学術振興会賞と同年に創設され、受賞者は同賞受賞者の中から6名以内が選ばれるもので、今回は田中氏を含む6名が受賞しました。授賞式は、平成24年2月27日(月)に日本学士院(東京都台東区上野公園7-32)で行われる予定です。

田中氏の受賞の対象となった研究業績は「ブレーン重力の研究」です。

時空の物理学はアインシュタインによる一般相対性理論に始まり、その古典的な 意味での正しさは、観測によりすでに証明されています。一方、弦理論の新宇宙 論によると、時空は4次元を越える高次元であり、その中のブレーンと呼ばれる 膜的なオブジェクトこそが我々の住む4次元時空であることが予言されています。

田中氏はこのような現代的な新宇宙論の展開を進めました。4次元を越える時空内 にブレーンがあるとすれば、重力はブレーン外部の次元を通って伝搬できます。 その結果、ブレーン内部で観測される重力はアインシュタイン理論からずれます。 同氏は、新たに開発した摂動的な計算方法をブレーン模型に適用し、このずれを 正確に与えました。これが、外部次元の存在の証拠を観測的につかまえるための 定量的な方法を初めて与えたという意味で、歴史に残る業績と認められました。

日本学術振興会賞

日本学士院学術奨励賞

田中教授の受賞理由

[図の説明:ブレーンワールドのイメージ図、高次元時空の中に我々の3次元時空を 表すブレーンが浮かんでいる。]